第4章

 焚き火のぱちぱちと爆ぜる音が、この瞬間、ひどく耳障りに響いた。

 相手はあのセバスチャンなのだ!

 それが今、人間の新妻に見事な一本背負いを決められ、石畳の上に思い切り叩きつけられている!

「うそ……」

 人だかりの中、誰かが息を呑む音がした。

「セバスチャン!」

 ヴァレリーの甲高い悲鳴が、静寂を引き裂く。

 彼女は狂乱したようにこちらへ飛びかかろうとした。

「この卑しい、気の狂った女! よくも彼を傷つけたわね! 守衛! この女を捕まえなさい!」

 私はその場から動かず、手についた埃をぱんぱんと払い、地面に横たわる男を冷ややかに見下ろした。

 だが、予想していた雷のよ...

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