第6章
「マジかよ……人間ごときが黒石島で竜族を殺そうとしたってことか?」
暗赤色の鱗を持つ女守衛が、私を指差して信じられないという顔をする。
「だから言ったろ、人間は厄介者だって!」
別の男守衛が、露骨な嫌悪を滲ませて吐き捨てる。
「最高守衛長の番なんて柄じゃない! あいつはただの狂った女だ!」
「捕らえろ! これ以上、好き放題させてなるものか!」
怒号が次々と上がる。
私は振り返り、隣に立つセバスチャンを見た。
彼は黙っていた。顔からは何の感情も読み取れず、何を考えているのかまったくわからない。
胸が、静かに冷たい海底へと沈んでいく。
前世、アイラはこの男の沈黙...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
縮小
拡大
