第7章

 セバスチャンが前に出て止めようとした。

 だが、私の方が早かった。

 誰の保護も必要ない。体に染みついた反射神経が働き、半身を引いて上体を反らし、彼女の闇雲な爪の攻撃を躱す。

 直後、私は足を高く上げ、その腹部めがけて渾身の蹴りを叩き込んだ。

 ヴァレリーの身体が宙を舞い、硬い岩肌に打ちつけられて悲鳴が上がる。

 私はズボンについた土埃をパンパンと払った。

「殴るの?」

 私は鼻で笑う。

「私が人を殴るのに、いちいちカレンダーを見て予約を取ると思ってるの?」

 周囲は、水を打ったような静けさに包まれた。

「長老会の者を呼べ」

 セバスチャンが口を開いた。

「今日のこ...

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