第105章

「はい!」

山本行成は振り返り、何か言いたげな表情を浮かべた。

「何か用か?」

「大したことじゃないんですが……柊木さんの誕生日が近いので、何かプレゼントを用意した方がいいかと思いまして……」

渕上迅は眉をひそめ、不機嫌そうに彼を見つめた。

「彼女の誕生日が俺に何の関係があるんだ?」

山本行成は慌てて首を振った。「いえ……」

「今後、彼女に関することは報告しなくていい。公的には、彼女は成上から派遣された社員に過ぎない。私的には、彼女は俺の甥の嫁だ。距離を保つ必要がある」

山本行成は頭を垂れた。「わかりました、渕上社長」

藤...

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