第107章

渕上迅は目を細めて、「まだだ。ホテルの監視カメラが壊されていた。山本行成にホテル周辺の監視カメラを調べさせている。今夜はしっかり休むことが一番大事だ。他のことは明日の朝に話そう」と言った。

「わかりました。ありがとう、おじさん」

「礼には及ばない。今この話をするのは少し不適切かもしれないが、誕生日おめでとう」

柊木玲文は一瞬驚いたが、すぐに低い声で「ありがとう」と言った。

もし時原美織が目を覚まさなければ、これから毎年の誕生日は楽しくないだろう。

「休みなさい」

「うん」

柊木玲文は寝室に戻った。部屋のインテリアはリビングルームと同じく、...

ログインして続きを読む