第112章

渕上晏仁の顔色が一瞬で険しくなり、怒りを込めて言った。「どうして今になってやっと調べがついたんだ?!」

小林拓海は無実の口調で答えた。「渕上社長、以前調べようとした時、社長が調べなくていいと言ったんです…昨日、病院で友人を見舞った際に、時原さんの両親に会って、それで再度調査を始めたんです…」

彼の言葉に渕上晏仁は、自分があの時あまりにも怒っていて、確かにそんなことを言ったことを思い出した。

「今後、こういうことがあったら、すぐに調べるんだ!」

「…わかりました」

電話を切ろうとした時、ふと柊木玲文と渕上迅が出かけたことを思い出し、再び低い声で言った。「今、玲文と叔父がどこにいるか調...

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