第115章

「渕上社長、お久しぶりです。清水さんが最近政府の東郊プロジェクトに投資したと聞きましたが?」

「私もそのプロジェクトに興味があります。渕上社長、私にも一口噛ませていただけませんか?」

渕上迅は面倒くさそうに対応していたが、今夜は渕上婆様の誕生日パーティーであることを思い出し、足を止めて相手に向き直った。表情は淡々としていた。「藤田社長、こんばんは」

彼が絡まれている間に、柊木玲文は隣の男性を追い払って、静かな場所で休もうとしていた。

突然、渕上家の女中が急いで彼女の前にやってきた。

「若奥様、奥様があなたをお呼びです。ガーデンのあずまやでお待ちです」

柊木玲文は渕上婆様の方を一瞥...

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