第125章

渕上晏仁のスマホ画面に映る「証拠」を見て、柊木玲文の目に嘲笑が浮かんだ。

「このチャットのスクリーンショットだけで、私がやったと決めつけるの?」

「もちろんこれだけじゃない、録音もあるんだ」

渕上晏仁は録音を柊木玲文の前で再生した。それを聞き終えた後、柊木玲文はようやく理解した。これは彼女を陥れるための罠だった。

しかし、彼女には理解できなかった。こんなことをして相手に何の得があるのか?

「この録音の声は確かに私に似ているけど、研究所に持って行けば偽物だと分かるわ」

渕上晏仁は失望の目で彼女を見つめた。「証拠が欲しいと言ったから見せたのに、まだ言い逃れするつもりか、玲文。いつから...

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