第138章

「うっ……」

柊木玲文は目を見開き、驚愕の表情を浮かべた。

彼は狂っているのか?!

前回は個室で強引にキスをしてきたのに、今度はこんな大勢の前で……

もし誰かに見られたら、どんな結果になるか分からない。

彼女は手を伸ばして彼の胸を押しのけようとしたが、彼の体はまるで鉄壁のようで、どんなに力を入れてもびくともしなかった。

「叔父さん……うっ、離して……」

渕上迅は彼女をしっかりと押さえつけ、怒りの炎がその瞳に揺れていた。

彼女がわざと渕上長彦に誘拐させたことを知らせなかったのはまだしも、今度は彼と距離を置こうとしている。

夢でも見ているのか!

渕上迅が彼女...

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