第152章

期待に胸を膨らませて渕上迅のオフィスに入ると、山崎由美は微笑みながら渕上迅を見つめた。

彼は書類を処理しており、窓から差し込む陽光が彼を照らし、まるで彼に光のオーラを与えているかのようだった。その美しい顔立ちはさらに人々の心を引きつけた。

「渕上社長、契約書はもう準備できました。いつサインすればいいでしょうか?」

渕上迅は手元の書類を置き、彼女を見つめた。その目には一切の温かみがなかった。

「山崎さん、誤解があるようですね。今日はあなたにお伝えしたいことがあります。清水はすでに他の協力者と意向があり、山崎さんにはもう来ていただかなくて結構です」

山崎由美の笑顔は凍りつき、渕上迅を見...

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