第17章

桐生雪乃は怒りを込めて茶碗をテーブルに叩きつけ、彼を真っ直ぐに見つめた。「これはあなたの実の息子であり、私の孫でもある。簡単に捨てるなんて言えるのか?」

「ただの出来事だ。孫が欲しいなら、玲文と頑張るよ」

「頑張る?結婚して何年も経つのに、毎回帰ってくるたびに、叔母さんたちはどう言ってる?もし子供ができないなら、他の人にチャンスを譲った方がいいって」

渕上晏仁は桐生雪乃を睨みつけ、強い口調で言った。「母さん、僕は離婚しないし、彼女とも一緒にならない。もしまたこんな要求をするなら、もうここには来ない」

「彼女のお腹の子供は、絶対に堕ろさせる!」

声が落ちる...

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