第182章

柊木玲文は時間を確認した。まだ朝の7時で、セミナーは9時から始まる。

「ちょっと早すぎたんじゃない?」

彼女はまだ眠そうで、声がくぐもっていた。

佐々木晶は興奮した声で、「眠れなくて起きちゃったんだ。朝食を持ってきたから、急がなくていいよ。下で待ってるね」

柊木玲文は少し困ったように、彼女に自分の住んでいる階を教えて上がってくるように言った。

柊木玲文が準備を終えて出発したのは8時を少し過ぎた頃で、二人は8時半前にはセミナー会場に到着した。

ちょうど入口に着いた時、黒いマイバッハとロールスロイスが彼女たちの隣に停まった。

車のドアが開き、菊野雨見と渕上迅がマイバッハから降り、後...

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