第20章

退社時間が近づくと、高槻紗和が遠山玲奈をオフィスに呼び出し、本社の処理方針を伝えた。

遠山玲奈は高槻紗和の報告行為に不満を抱いていたが、彼女の部下である以上、対立しても得策ではない。

「紗和さん、わかりました。今後は気をつけて、二度と同じ過ちを犯しません」

高槻紗和は淡々と彼女を見つめ、「うん、この件は会社内で内密に処理する。給料の減額についても大々的に言いふらさないように。大事になれば、会社も厳しく対処せざるを得なくなるから」

「わかりました……でも、私を告発した人は、会社はどう処理するつもりですか?」

一ヶ月分の給料は彼女にとって大したことではないが、この屈辱は耐えられなかった。...

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