第25章

渕上晏仁は顔色を曇らせ、桐生雪乃に電話をかけた。

「母さん、今日玲文に会いに行ったのか?」

桐生雪乃は渕上迅に叱られたばかりで、心中に鬱憤が溜まっていた。彼の言葉を聞くと冷笑して言った。「彼女が告げ口したのね?やっぱり役立たずだ!」

渕上晏仁の怒りが瞬時に爆発した。「母さん、僕は前に言ったよね、僕と玲文のことに口出ししないでって。どうして聞いてくれないんだ?」

「あなたのためじゃなければ、彼女に会いに行くわけないでしょ?外に女がいるからって、引っ越すなんて騒ぎ立てて、女一人も管理できないなんて、他人に笑われるわよ!」

「これは僕たちの問題だ。もしまた玲文に会いに行ったら、父さんのこと...

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