第27章

渕上晏仁の眉間には深い皺が寄り、目は困惑から次第に驚愕と信じられない表情に変わっていった。

「玲文、君が許してくれるなら、僕のお金は全部君のものだ。欲しいものは何でも買っていい……それに、物質的なものよりも、君が本当に大切にすべきなのは僕の愛じゃないのか?」

柊木玲文は思わず笑い出した。「確かに一時はあなたの愛を気にしていたけど、結局返ってきたのは裏切りだけだった。あなたは私のために少しの金銭や心遣いすら惜しんだ。どうしてあなたが本当に私を愛していると信じられるの?」

よく言われることだが、男のお金があるところに彼らの愛もある。

しかし、今の柊木玲文は渕上晏仁の愛を求めていない。離婚を...

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