第49章

腰に回された大きな手の力強さと温かさを感じ、柊木玲文の顔は一瞬で赤くなった。

彼女は急いで立ち直り、彼を直視することができなかった。

「渕上社長、ありがとうございます」

渕上迅は何事もなかったかのように手を引き、低い声で言った。「薬草を見るときも足元に気をつけて」

「わかりました」

その後、柊木玲文はもう一度転ばないように、足元に注意を払って歩いた。

「これが乾燥させたインドジャボクです」

スタッフが棚から適当に乾燥したインドジャボクを一本取り出し、渕上迅に渡した。渕上迅はそれを受け取り、柊木玲文に渡した。

「見てみて」

このインドジャボクは、今朝大林が見せてくれた薬草と見た...

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