第56章

渕上迅は顔を上げて彼を見つめ、冷ややかに言った。「わかった」

彼の無関心な表情を見て、山本行成は自分がわざわざこのことを伝えたのが無駄だったように感じた。

渕上迅に10時の会議を再度伝えた後、山本行成は部屋を出て行った。

昼休み、柊木玲文は食堂に向かうために食券を持っていた。

食堂に入ると、その豪華さに驚かされた。まるで星付きレストランのようで、食堂とは思えなかった。

一目で見渡すと、各窓口の食べ物はどれも精巧で、見るだけで食欲が湧いてくる。

しかも、食事の価格も非常に低く、大学の食堂とほとんど変わらない。

食堂は三階建てで、食べ物の種類...

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