第8章

柊木玲文がレストランに到着した時、時原美織もちょうど到着し、二人はレストランの入口で出会った。

時原美織は彼女の腕を取り、一緒にレストランに入った。

「面接はどうだった?」

「まあまあかな。でも採用されるかどうかは分からない」

「もしダメだったら、他の会社を探せばいいよ。新海市には製薬会社がたくさんあるし、君を失うのは彼らにとって大きな損失だよ」

「ありがとう、そんなに信じてくれて。でも、もう何年も実験室で働いていないからね」

薬物開発の分野では、経験が非常に重要だ。

大学院で3年間実験をしていくつかの成果を上げた以外には、実務経験では長年働いている同業者には到底及ばないことは彼...

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