第16章 両者が戦い始めた

「これは……」レストランのウェイターは戸惑いながら篠崎沙耶香たちを見つめた。

ここに来る客は皆、裕福で高貴な人々ばかりで、食い逃げのような客は今まで見たことがなかった。

ウェイターは篠崎沙耶香と大塚玲子の服装をじっくりと見てから、西尾美月たちを見た。

西尾美月はこの店の常連で、ウェイターも彼女の身分を知っていた。

しかし、篠崎沙耶香は初めての来店で、その控えめな服装も相まって、ウェイターは無意識に西尾美月たちの側に偏った。

「お二人様、先にお支払いをお願いします。当店ではツケはできません」

ウェイターの言葉は、まるで彼女たちが支払いができないと決めつけているかのようだった。

大...

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