第21章 謝りに行くべき

低く冷たい声が西尾美月の呼吸を一瞬止めた。

「和也?どういう意味?」西尾美月は焦って尋ねた。

「当時、お前が篠崎沙耶香に薬を盛って、彼女を他の男の部屋に入れたんだろう。そして、お前はこっそり俺の部屋に入って、その子供を妊娠した。だから、西尾美月、彼女の言葉はお前を冤枉していないんだ」

松見和也の冷酷な言葉に、西尾美月は完全に呆然とし、背筋が凍った。

松見和也がこれを言うということは、彼女が浮気相手であることを認めたことになる。

彼がどうしてそんなことを言えるのか?

西尾美月の心は激しく痛んだ。

「西尾美月、俺はあの時、お前に警告したはずだ。こんな卑劣な手段で人を害するなと。しか...

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