第112章

高波グループを去った後、坪田真耶は直接高波家の旧宅へ向かった。

白井雅子は買い物に出かけており、高波延東は数人の古い友人とゴルフの約束をしていた。ゴルフクラブを持って出かけようとしたところ、玄関で坪田真耶とばったり出くわした。

坪田真耶を見た高波延東は、最初誰だか分からなかった。じっと見つめてようやく彼女だと気づいた。

「あなたは?坪田真耶?どうしてここに?」

記憶が正しければ、息子の直俊はすでに彼女との婚約を解消したはずだ。

坪田真耶は痛みをこらえながら、無理に笑みを浮かべた。

「良いお知らせがあってお伺いしました」

彼女のやり方については耳にしていた高波延東は、今日の訪問に...

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