第119章

高波直俊が三原智司を家に送った後、すぐにICUに駆けつけた。

ICUは完全閉鎖式で、外には看護師が一人待機していた。看護師はガラス扉越しに患者の様子を観察し、何か異常があればすぐに対応できるようにしていた。

三原由美は疲れたのか、看護師の隣に座り、テーブルに伏せて眠っていた。

高波直俊は医者に外から長椅子を運んでくるよう指示し、三原由美を優しく抱き上げて椅子に横たわらせ、彼女の頭を自分の太ももに乗せた。

こうすれば高波明の様子を常に観察しながら、三原由美にも少しでも楽に眠らせてあげられる。

松本安は隣のICUにいて、二つのICUは壁一枚隔てただけだった。

松本おばあさんはガラス扉...

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