第154章

まるで全身に電流が走ったかのようだった。

高波直俊はその場で硬直し、一瞬、手も足もどこに置けばいいのか分からなくなった。

しばらくして、彼は我に返り、ゆっくりと手を伸ばし、三原由美の背中に向かってそっと手を伸ばした。彼女を抱きしめようとして——

だが、手が三原由美に触れる前に、彼女は我に返ったようで、自分の行動の不適切さに気づき、高波直俊から慌てて離れ、恥ずかしそうに言った。「す...すみません、さっき...さっきはびっくりしてしまって...」

高波直俊の腕は宙に浮いたまま一瞬固まり、やがて気まずそうに下ろすと、軽く咳払いをして姿勢を正し、気まずさを隠した。

「大丈夫だよ...怖か...

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