第168章

高波直俊は高波七海の歯ブラシを手に、直接DNAセンターへ向かった。「三時間以内に鑑定結果を出せ」

検査技師は頷き、高波直俊の口腔から唾液を採取し、歯ブラシを持って奥の検査室へ入っていった。

高波直俊は結果を待つ間に、高波久人に電話をかけた。

「高波七海の最近の足取りを調べろ。どこへ行って、誰に会って、どこから来たのか。江下に戻ってきてどのくらい経つのかもだ」

高波久人は一瞬戸惑った。「高波七海ですか?ボスの実の妹さん?」

「そうだ、今高波家にいる。一時間前に戻ってきたんだ」

相手の身元が確認できれば話は早い。高波久人は快く答えた。「分かりました!すぐに調査します!」

結果の信憑...

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