第17章

同僚に嫌がらせをされ、患者に難癖をつけられ、医長に叱責された。三原由美がどんなに心の強い人間だとしても、大きなダメージを受けていた。高波明と遊んでいる時、高波直俊は彼女の様子がおかしいことに気づいた。

「どうしたんだ?」

高波直俊が聞かなければよかったのに。その一言で三原由美の怒りが爆発した。坪田真耶が病院でこんなことをする勇気があるのは、第一に高波直俊を奪われることを恐れているから、第二に高波直俊が自分の味方をしてくれると確信しているからだ。

矛盾しているように聞こえるが、それこそが高波直俊という人間の本質を表している。坪田真耶に偏愛を示しながら、十分な安心感を与えていないのだ。

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