第189章

午後一時、三原由美はようやく手術室から出てきた。

オフィスに足を踏み入れると、小林夏紀がにこやかな笑顔でコーヒーを彼女の机に置き、取り入るように言った。「三原先生、手術でお疲れでしょう!これ、特別にご用意したコーヒーです。いつも先生はブラックを飲まれているようなので、勝手ながらブラックをお買いしました」

三原由美は躊躇なくコーヒーを彼女の手に押し戻した。「すみません、このブラックコーヒーは遠慮しておきます」

小林夏紀は周りに人がいないのを確認すると、さらに大胆になり、椅子を持ってきて座り、三原由美に近づいて、秘密めかした様子で言った。「実は、お願いがあるんです!」

三原由美は...

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