第199章

十二時間後、三原由美が乗った飛行機はロサンゼルスに着陸した。

M国とZ国は時差が真逆で、ロサンゼルスはちょうど朝の六時過ぎだった。

疲れていたにもかかわらず、三原由美は休むことなく、リュックを背負い、空港の出口でタクシーを拾い、トーランスへと直行した。

タクシーに乗り込むと、彼女はスマホを取り出し、あるアプリを開いた。画面には赤い点と青い点が表示されており、赤い点は動かないまま、青い点が少しずつ赤い点に近づいていた。

このアプリは三原智司が自ら開発した位置追跡アプリで、出発前に特別にインストールしてくれたものだ。赤い点は一条俊太が彼女に電話をかけてきた場所、青い点は彼...

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