第41章

高波直俊が物思いにふけながら閉ざされたドアを見つめていた。

ミルクプリン?

ティラミス?

三原由美の料理の腕前はあんなに良いのだから、作るデザートもきっと悪くないはずだ。

うっ!

彼も食べてみたいと思った。

「直俊……直俊……私の話を聞いてる?直俊……」

高波直俊が考え事に没頭していると、坪田真耶が彼の服を強く引っ張り、ようやく我に返った。

「何?」

坪田真耶はつらそうに口を尖らせた。「こんなにたくさん話したのに、一言も聞いてなかったの?」

高波直俊はようやく気づいた。自分の思考が知らぬ間に三原由美に引っ張られていたことに。

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