第51章

三原由美と一条俊太が談笑していると、突然個室の外から騒がしい声が聞こえてきた。

「高波社長、大変申し訳ございません。スタッフの手違いで、この個室は既にご予約済みだったんです。少々お待ちいただけませんか?中のお客様と相談して、もうお食事が終わっているかどうか確認してみます」

「予約済みなら、他の個室に変更すればいいだろう」

「個室は全て埋まっております!中のお客様はかなり前からいらっしゃるので、おそらくもう終わりかけているはずです。確認してまいります!」

「わかった!」

言葉が終わるや否や、ノックの音がして、三原由美が応答する前にドアが開いた。部長が腰を低くして入ってきて、申し訳なさ...

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