第65章

坪田真耶の全身が硬直した。

藤原美香は何かを察したのか、顔色が一言では言い表せないほど変わった。

三原智司は左手で鼻を押さえ、右手で嫌そうに臭みを扇ぎながら、わざと大きな声で言った。「マジ最悪。堂々たる坪田教授が、大勢の前でウンコ漏らすなんて」

彼の声は瞬く間に周囲を歩く患者や看護師の注目を集めた。

ここは救急室の観察病室で、患者の家族や医療スタッフの出入りが多い場所だった。

彼の大声で、皆が一斉に視線を向け、そして不快なウンコの臭みを嗅ぐと、みな嫌悪の表情で後退し、彼女との距離を取り、信じられないという顔をした。

坪田真耶は地面に穴があれば入りたいほど恥ずかしかった。

「この...

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