第68章

高波明と三原由佳が別れた後、高波明は直接、救急観察室へと三原由美を見舞いに訪れた。

病室では、医者が三原由美の診察をしており、高波直俊が緊張した面持ちで傍らに控えていた。明が入ってくるのを見ると、鈴木紗季はすぐに彼のところへ歩み寄り、笑顔で言った。「帰ってきたの?」

高波明は一瞬ぼんやりした。「まだ帰られてなかったんですか?由佳ちゃんが麵屋でお待ちしてますよ!」

鈴木紗季は笑いながら言った。「あなたが戻ってきたら、さよならを言ってから行こうと思ってたのよ!」

「あっ!」高波明は彼女を疑うことなく、手を振って別れを告げた。「さようなら!由佳ちゃんが麵屋で待ってるから、早く行ってあげてく...

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