第102章 林田雪乃について話す

藤原家に着いた。

おじいさんは早くから玄関で待っていて、佐藤明里を見るなり子供のように目を細めた。

彼は佐藤明里の手を取り、「さあ、早く上がりなさい。おじいさんが美味しいものをたくさん用意したんだよ」と言った。

岡安佐喜子が料理を運んでくると、佐藤明里を見て目を輝かせ、座るよう手招きした。

彼女は最近ずっと咳が出ていて、病気が移るといけないと佐藤明里に会いに行くのを控えていたのだ。やっと少し良くなったばかりで、まだ近くに座るのも心配で、向かい側に座った。

本家の佐々木さんも熱心に、出来立ての燕の巣のスープを佐藤明里の前に置き、まずは喉を潤すようにと勧めた。

皆が佐藤明里を見ると嬉...

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