第131章 藤原信一、お前に資格があるのか?

藤原信一の堂々とした身体が突然揺らいだ。

彼はどうしても信じられなかった。いつも優しかった佐藤明里が、あっさりと彼に死ねと言うなんて!

「そんなに俺を恨んでるのか?」

佐藤明里は表情を平たく保ちながら、「誘拐されたとき、本当にあなたを恨んでた。もしあなたが病院の駐車場に私を置き去りにしなければ、誘拐されずに済んだんじゃないかって、ずっと考えてた。でも、もし、なんてないわ。もう一度同じことが起きても、あなたは林田雪乃を救うほうを選ぶってことも分かってる…」

「違う、そうじゃない…」

藤原信一の心臓が痛みに締め付けられ、喉には砕けたガラスが詰まったかのように、口中に錆びた鉄の味が広がっ...

ログインして続きを読む