第141章 離婚しに行く

藤原信一は急いで病院へ向かい、古田圭は現場に着くとすぐに監視カメラの確認に取り掛かった。

監視映像には、佐藤明里が午前1時半頃に部屋から出てくる姿が映っていた。その時、介護士は居眠りをしていた。

佐藤明里は素足で白いワンピース姿のまま、エレベーターに乗り込み、そのまま降りてこなかった。

エレベーターの表示は18階で止まっていた。

古田圭は表情を引き締めて言った。「藤原社長、屋上です」

その言葉を聞いた藤原信一の瞳孔が一瞬縮み、すぐに大股で駆け出した。

墨を撒いたような闇夜の中、佐藤明里は屋上の縁にあるコンクリートの塊に腰掛けていた。

海藻のような美しい髪が風に揺れ、白い長いワン...

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