第177章 俺は彼女と関係がなくなった

佐藤明里は平然としたままで、振り向いてバスタオルを取りに行き、洗面所に差し出した。

薄田年がバスタオルを巻いて出てきた時、藤原信一の姿を目にした瞬間、顔に驚きの色が浮かんだが、すぐに落ち着きを取り戻した。

「藤原社長、こんな遅くにどうしたんですか?」

藤原信一は明らかに呆然としていた。それ以上に、信じられないという表情だった。

薄田年は手を伸ばして佐藤明里の頭を優しく撫で、甘やかすような口調で言った。「なんで藤原社長を中に通さないの?玄関先に立たせたままってどういうこと?」

佐藤明里は無表情のまま、「遅いから」と一言だけ言った。

二人の親密な様子は、まるで藤原信一の存在を無視して...

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