第73章 侵略

病院の中で。

「明里、苦労をかけてすまない。おばあさんについて一日の幸せも味わえず、こんな嫌な目ばかり見せて」

そう言いながら、おばあさんは涙を流し始めた。年を取ると、一度悲しくなると止まらなくなるものだ。

佐藤明里も目が赤くなった。「おばあさん、昔はおばあさんが私を守ってくれたけど、今度は私がおばあさんを守る番です」

古田炎はろくでなしで、毎日家にも帰らず、おばあさんは明里の学費のために多くの苦労を重ねてきた。

だから今、病に倒れ、もう病院から出られる可能性はほとんどなかった。

「おばあさんは他に心配はないんだけど、ただ私がいなくなった後、お前の面倒を見る人がいなくて...いい...

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