第13話

「トビアスは忙しいので、もう少し後で来ます」と彼は私に言った。私はただ頷いて視線を逸らした。ドアが開くとすぐに、テオが出てきて真っ直ぐ自分のオフィスへ向かった。ロッカーで髪とメイクをしておいて本当に良かった。あれは私たちが今まで交わした中で最も気まずいやり取りだった。まるで彼が私から一刻も早く逃げ出したいかのようだった。

デスクに向かい、コンピューターの電源を入れて電話を転送した時、テーブルの端に腰をぶつけてしまった。痛みに息を呑んだ。定期的に傷を洗浄し、包帯を交換していたのに。治るのに時間がかかっていて、感染しているんじゃないかと心配になり始めていた。テオがまだオフィスにいることを確認して...

ログインして続きを読む