チャプター 204

メイソン

古い製材所はクソみたいに腐り果てている――錆びついた鉄骨と裂けた木材が松の木々に飲み込まれ、目には見えなくとも、いまだに血の臭いが染みついているような場所だ。

うってつけだ。

俺は現場監督の事務所だった場所に潜んでいる。いや、その残骸と言うべきか――壁は三方、屋根は半分しかなく、見つからずに監視を行うには十分な遮蔽物がある。床は油とネズミの小便でぬるぬるしているが、こちらは高台を確保しており、見晴らしは完璧だ。

ラップトップが静寂の中、低い唸りをあげている。三つのライブ映像が起動中だ――上空のドローン、木々のサーマル映像、そして空き地を囲むように設置された周辺動体検知センサー。すべ...

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