第399話

アリアンナは部屋の端に立ち、見つめていた。

ザンダーとザックはハーモニーの周りに寄り添い、彼女だけに集中し、低く優しい声で話しかけていた。

「マジで、バニー、あと10分だけ待ってくれてたら、わざと心臓発作のふりして、一度くらいザンダーに抱っこしてもらおうと思ってたのに」ザックは冗談を言いながら、軽く彼女の肩を小突いた。

ハーモニーは小さく笑い、頭を振った。「あなたって本当に困ったものね」

「元カノも同じこと言ってたよ。脇の下がきれいな男に浮気される直前にね」

ハーモニーは困惑した表情を浮かべた。「脇の下が...何？」

「脇の下さ。そいつ、保湿してたらしいんだ。まるでアザラシの赤ちゃ...