チャプター 410

国王のスイートルームの扉が背後で閉まるとすぐ、

祖母は孫嫁に向き直り、声は低められていたが毒を含んでいた。

「あの子は蛭《ひる》よ、アリアナ。香水と絹で着飾った毒蛇。そしてザンダー……あの馬鹿息子は……それを見抜けないほど愚かすぎる。あの子が泣くたびに、あいつにもっと深く爪を立てさせている」

その目は鋭く、長年の経験と苦々しさに満ちていた。

「あなたはあの子の本性を知らない。あなたはいつも人の善いところを見ようとするけれど、あの子は邪悪よ、アリアナ。純粋な悪。いつかあなたにもわかるでしょう。でもその時には、もう手遅れよ」

アリアナは小さく、ほとんど面白がるような息を吐き、腕を組んだ。...

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