チャプター 420

「ついてきて」

ハーモニーはグラスを置き、表情に浮かぶ歓喜の色を隠すことができなかった。

(指一本動かす必要もなかったわ)彼女は思った。

(子羊が自分から屠殺場に飛び込んできたようなものだもの)

彼女はアリアナの後を追って、大勢の客たちの間を抜けていった。大理石の床にヒールの音が甲高く響き、二人は笑い声やグラスの触れ合う音からそっと離れていく。

バーを通り過ぎ、庭へと続くガラスの引き戸を抜け、そしてようやく家の中へと戻った。階段へ向かうにつれて、パーティーの喧騒は背後で遠のいていった。

アリアナは振り返らなかった。

ハーモニーの視線が最後にもう一度、客たちを見渡した。その目は異様...

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