第154話

銃声は彼にとって小鳥のさえずりのようなものだった。しかしロバートを殺しても、何の満足も得られなかった。それはまるで蟻を踏みつぶすようなものだった。世界は彼の不在など少しも気にしないだろう。実際、彼は世界に恩恵を施しているような気分だった。ロバートは疫病神だった。最悪の種類の人間だ。

自分が何か優れているというわけではない。彼自身も極悪人の部類に入るが、少なくともそれを自覚していた。ロバート・スチュワートのような人間は、自分が実際よりも優れていると思い込んでいる。自分たちの邪悪さは何か大義のためだと正当化する。笑止千万だ。少なくとも彼は、自分の関心事がすべて自己中心的であることを知っていた。彼...

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