チャプター 72

マッケンジー

病院へ向かう車中、ザラはずっと黙っていた。

「話して」私は彼女を見て言った。彼女は微笑んだ。

「えっと、あのね、グレイソンと私、市役所で結婚しようかって考えてるの」と彼女は言った。

「ああ、それはさせない」ダリウスが言うと、彼女は呆れた顔をした。

「ただ……私たち、盛大な結婚式なんていらないのよ、ダリウス。一体誰を招待したいっていうの?」彼女は彼を見て言った。

その瞬間、私にはわかった。彼女は両親に来てほしくないのだ。バージンロードを一緒に歩いてくれる人がいないのだ。

「ザラ……」

「お前たちは俺たちと同じように結婚するんだ。俺の親父がお前をエスコートする。俺たちの結婚式は...

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