148

ジャスミン視点

何もかもがくぐもっていた――光は眩しすぎ、音は鋭すぎるほどなのに、どこか遠くで響いているようだった。私はゆっくりと瞬きをしながら、ここがどこで、何が起きたのかを理解しようとした。

その時、はっとした。病院にいるんだ。私たちは、ここまでたどり着けたんだ。

でも、どうしてこんなに力が入らないんだろう?背中が痛む。指一本動かせない。喉が焼けるように痛い――乾燥して、ひりひりする。そして胸のあたりが……なんだか違う感じがする。誰かが私の手を握っている。覚えのある感触。ゆっくりと頭を動かす。

ニコがうつむいて、私の手を両手で包み込むように握っている。

「ニコ……」呼びかけたいのに、声...

ログインして続きを読む