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第百七十六話:ニコ

マイケルを守っていた結界が消え去った瞬間、フェラーリ家を数十年にもわたって導いてきた俺の全本能が作動した。内なる人狼が、薄紙を破るように俺の人間の皮膚を引き裂く。骨が砕けては再結合する音を立てる中、俺は混沌の存在どもと家族の間に割って入るべく、前方へ飛びかかった。

「俺の後ろへ下がれ!」声帯が再構築されるにつれ、俺の声は歪んでいく。咆哮だった。変化が筋肉を駆け巡り、液体のような炎で焼き尽くされる。だが、塩の裂け目から油のように流れ込んでくる影のクリーチャーたちの光景を前に、その灼熱の痛みは恐怖に呑まれて消えた。

ジャスミンは子供たちをさらにきつく抱きしめている。彼女の...

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