ブック3:第96章

ザイド

俺は彼女を抱きしめ、その心臓の鼓動に耳を澄ませた。ここでは……俺たちは何者である必要も、何をする必要もなかった……。ここでは、俺はアルファではなく、ただのパックウルフでいられた……。

正直なところ、このまま一週間……いや、残りの生涯を、俺の伴侶と共にここで過ごしたかった。それが俺の獣の血を鎮めてくれた。彼女が俺の内なる炎を冷ましてくれた……それでも、俺たちは互いに手を離すことができなかった……。この二度目の機会に感謝している……今や彼女は正真正銘の俺の伴侶だ。もっとも、他の誰にもチャンスなどありはしなかったが。

俺たちはここに三日ほど、あるいはそれプラス半日ほどいただろうか。太陽も月も...

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