第11章:トーキング・ボディ

ハナ

今、自分が何を耳にしたのか信じられなかった。ジョンは、間違いなく、私がこれまで出会った中で一番、大胆不敵な人間だ。

彼は微塵のためらいも見せず、その質問を口にする。私の顔に浮かんだ衝撃の色を見てもなお、それが世界で最も自然なことであるかのように、平然と答えを待ち続けている。

「あなたに何かを要求する権利なんてないわ、ジョン」そう言って、私は彼から一歩、身を引いた。

バルコニーへ向かうと、冷たい風が顔を打ち、髪を後ろへとなびかせた。外は凍えるほど寒い。でも、どうでもよかった。今の私にとって、内側でふつふつと煮えたぎる怒りを鎮めてくれるのは、この寒さだけだったから。

いつも怒ってば...

ログインして続きを読む