204話

車内の沈黙は不快ではなかったが、息苦しいほどだった。それは私の肩に、私たちの間の空気に、そして開いた窓から漂い出るタバコの煙が冷たい風と混ざりながらゆっくりと過ぎていく秒の中に重くのしかかっていた。その風は、もう私にはほとんど触れなくなっていた。

彼女の隣で燃え上がっている自分がいた。こんなはずじゃないのに。

ヴァイオレットはまるで何千回もやったことがあるかのように指の間にタバコを挟んでいた。でも私はよく知っていた。彼女が吸い込む時のわずかにぎこちない様子が彼女の正体を明かしていた。メンソールの煙にむせることはなかったけれど。彼女にとってそれは新しいことだったのに、どれほど自然に適応し...

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