第194章

ハリー視点

降伏ではなく、戦って活路を開くという決断は、長年の特殊作戦を経て呼吸がごく自然なものになったのと同じように、ごく自然に下された。だが、頭の中にしか存在しない脱出ポイントへ向けてジャングルを進むうち、今回の戦いは自分たちの命のためだけでなく、子供たちの未来のためでもあるのだという感覚が、どうしても拭えなかった。

「左方に接触」イヤピースから聞こえるルーカスの声は落ち着いていた。林の中から自動火器の銃声が轟く。「敵性勢力三名、軍隊のフォーメーションだ」

「制圧する」俺はそう応じ、援護射撃を行った。その間、スカイラーとジャックスは、俺たちのような特殊な訓練を受けた者でなければ踏破...

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