第279話

エラ

「ずいぶん時間がかかったわね」彼がようやく姿を現した時、私は声をかける。星空の下の森の中にある、私たちのベッドのレプリカに座っている。私にとっては何時間も経ったように感じるけど、実際にはわからない。ここでは時間の流れ方が違うから。おそらくほんの数分だったのだろう、ただ彼を切望するあまり長く感じただけで。

「そうかい」シンクレアは低くつぶやき、私が濃紺のネグリジェを身につけて彼の前に座っているのを見つめる。このネグリジェは、私たちが初めてこの夢の中で出会った時に着ていた白いものを彷彿とさせる。私は髪を肩越しに投げやり、彼に私の興奮の匂いを嗅がせ、私の望みを伝える。

彼はゆっくりと私に...

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